企業が公表する中期経営計画(中計)では、おおむね3年程度先までの経営方針が示される。最終年度の業績目標を掲げる企業が多く、投資家にとって会社の将来像を予想する貴重な手掛かりとなる。
もっとも、中計は決算短信や有価証券報告書と違い、会社法などを根拠とした法定開示資料ではない。東京証券取引所の情報開示システム「TDネット」でも任意開示事項となっているので、中計を作成しても公表の義務はない。もちろん、中計を作成しない選択肢もある。
M&AやROE、還元性向目標が定番
しかし実際には、より具体的な中計の披露が、投資家に対する「義務」になりつつある。生命保険協会が東証1部に上場する時価総額上位1200社を対象にアンケート調査を実施したところ、2014年度に中計を公表した企業は7割。このうち93%余りが具体的な数値目標を明示している。
数値目標として最も公表件数が多かったのは「利益額・利益の伸び率」で、7割の企業が目標値を開示。その後に「売上高・売上高の伸び率」、「売上高利益率」が続く。最近は資本効率の指標であるROE(自己資本利益率)が流行し、生保協の調査でも開示企業の多い項目として4位につけている。
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