どういう有識者や専門家が信用できるかを見極めるうえで、否定神学の方法を用いることが有益だ。ビザンツ帝国(東ローマ帝国)には、肯定神学と否定神学という二つの神学がある。「神は全能である」「神は偉大である」などと、肯定形で定義をしていくのが肯定神学だ。
これに対して、否定神学では「神は被造物ではない」「神は有限ではない」というように、否定形で定義をしていく方法だ。否定神学では「~でない」という形で、残余の部分で定義をするという方法である。
資本主義社会においては、情報も商品である。商品だから、売れるようなさまざまな工夫をしている。しかし、包装紙が美しい菓子がおいしいとは限らない。同様に、装丁が魅力的な本の内容が充実しているとは限らない。もっとも、装丁がいいかげんな本は編集者が力を注いでいないことが明白なので、内容も酷いものであると考えて、まず間違いない。
有識者や専門家の力量を見分けるために、筆者が否定神学を用いて判断していることについて記す。
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