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首相秘書官、モンゴル訪問の隠された狙い したたかな政治戦略

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5月、モンゴルを訪問したとされる今井尚哉首相秘書官。本人はその事実を否定している(読売新聞/アフロ)

安倍晋三首相は自身の外交手腕について相当な自信を持っているはずだ。この1カ月、米ロ両国を相手に巧みに手を打ち、それなりの成果を上げてきた。

まずは訪米である。4月29日の米上下院合同会議での演説は、出席議員による13回ものスタンディングオベーションを引き起こした。壇上に座る下院議長を感涙させたというのは前代未聞のことである。

太平洋戦争の激戦地、硫黄島をめぐる攻防で、上陸したスノーデン海兵隊退役中将(93歳。当時は海兵隊大尉)と、玉砕した日本軍の栗林忠道守備隊司令官(陸軍中将)の孫・新藤義孝元総務相を傍聴席に招き、演説中に握手させる演出は巧みだった。かつての敵・味方の和解というストーリーは米国人に受ける。

ベイナー下院議長は、安倍首相がアーリントン国立墓地とホロコースト記念博物館を訪れた際の印象を述べ、さらに大戦の激戦地であったバターンやコレヒドールの名前を挙げた頃に、ポケットからハンカチを取り出し、首相が硫黄島に言及したところで涙をぬぐったのだ。

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