2000年以降、日経平均株価が1000円を超える大幅安に見舞われた月は14回もある。株式市場はつねにリスクと隣り合わせなのだ。ただ、株価急落のリスクは消せなくても、相場が崩れる前兆を察知できれば、高値圏で大量の買いを入れたり利益確定売りが遅れたりする失敗を回避できる。
「見送り=下落」が株式市場の大原則
株価が上昇基調から下落に転じる予兆として最も有名なのは出来高(株数)や売買代金の減少だろう。個別銘柄にも市場全体にも当てはまる経験則なので、すべての投資家が知っておくべき相場変調のサインだ。
売りが多ければ株価が下がり、買いが多ければ株価が上がるのは理解しやすい。しかし、株式市場にはもう一つ、「見送りは下落」という法則がある。直感的には、売買が細るだけなら株価には中立のように見えるが、現実には売買高の減少は株価下落を引き起こしやすい。
理由は単純だ。株式に買いが入るのは、先行きの値上がりが見込める局面にほぼ限られる。一方、買い手は企業支配が目的でもないかぎり、株式ディーラーでも長期投資家でもいつか必ず売り手に回る。しかも、株価が上昇するにつれて買い値を上回った投資家が増え、それが潜在的な売り手になっていく。絶え間なく出てくる売りを吸収できるだけの買い手がいなければ当然、株価は値下がりに向かう。
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