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新興国ショックの懸念は日欧マネーが覆い隠す 米国利上げの影響は?

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  • 黒瀬 浩一 りそな銀行チーフ・マーケット・ストラテジスト
利上げ時期を慎重に計るイエレンFRB議長(Getty Images)

FRB(米国連邦準備制度理事会)がいつ利上げに踏み切るかに市場の注目が集まっている。リーマンショック後、事実上のゼロ金利政策を採ってきた米国が利上げで金融政策の引き締めに転じれば、株式市場や新興国へ向かっていたマネーの流れが変わるからだ。

市場関係者の多くは半年前、2015年6月ごろの利上げを予想していた。しかし、今年に入り米国景気が減速したことで、利上げ時期の予想も秋口に後ずれした。一部には年内不可能との見方もある。

ただし、FRBは利上げに向けて着々と準備を進めている。天候不順、ドル高、エネルギー価格下落による設備投資の削減などのマクロ経済環境変化を受けて、GDP(国内総生産)や物価の先々の見通しを下方修正しているが、16年に向けて安定感を取り戻すはずだ、と見ている。

さらにFRBは「小さな泡(フロス)」が膨張しバブルに至るリスクも意識している。FRB議長のイエレン氏は14年2月の就任前後、金融緩和によって「米国にはバブルの前段階の小さな泡が生じている」との警鐘を鳴らしていた。それは、信用力が低いハイイールド債券の利回り低下や、信用力の低い個人向けのサブプライム自動車ローン残高の急増などで顕著に見られた。その後、FRBは行政指導を強化することで小さな泡の抑制に一定の成果を上げた。

しかし、ここに来て割高感の強まっているのが株価で、それはPER(株価収益率)の上昇に如実に表れている。金融政策が引き締めへと転換する前は、警戒感から株価は横ばいのボックス圏を形成するのが通例なので、現状はやや異例だ。小さな泡が生じているのかもしれない。

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