今年の株式相場テーマの一つに、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)がある。昨年12月にトヨタ自動車が世界に先駆けて「MIRAI(ミライ)」を国内発売したからだ。国も水素社会の実現を後押ししている。だが、同じ次世代自動車関連でも「国策」「環境」の有望テーマでは、4代目「プリウス」の発売が追い風となるリチウムイオン電池に優位性がありそうだ。
ハイブリッド車(HV)で世界に先行したトヨタのプリウスは、1997年に初代が発売された。その後、2003年に2代目、09年に3代目と6年置きにモデルチェンジし、発売から17年間で470万台以上が出荷された。次のモデルチェンジは今年11月ごろとみられている。この4代目プリウスからは、車の走行用モーターに電力を供給するモーター駆動用バッテリーが、3代目までの主流だったニッケル水素電池からリチウムイオン電池へと替わるだろう。
4代目は国の燃費基準JC08モードでガソリン1リットル当たり40キロメートルと、同社の小型HV「アクア」の同37キロメートルより燃費がいいとみられる。この燃費実現には車体の軽量化とモーター走行時間の延長が不可欠だ。リチウムイオン電池なら、ニッケル水素電池と比較して半分の重さで容量は約2倍と燃費に貢献する。
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