終わらない農協改革 JA全中の解体でも
全中は一般社団法人化、監査権も奪われる。だが、真の改革には遠い。
安倍晋三首相の意向を受け、自民党農林族議員と全国農業協同組合中央会(JA全中)の萬歳章会長との間で協議が行われ、焦点の「農協改革」が決着した。
JA全中に関しては規定を農協法から削除し、2019年3月末までに一般社団法人化。JA全中の持つ監査・指導権も廃止し、地域農協はJA全中が新たに作る監査法人か民間の監査法人か、選択できるようにする。一方で都道府県の中央会は、引き続き農協法で規定。准組合員の事業規制についても見送る、という内容で落ち着いた。
全国約700の地域農協を束ねるJA全中は、監査・指導権を農協法で規定すべき、と主張してきた。監査は地域の農協をコントロールする重要な手段だからだ。JA全中の強制監査をなくせば、全国への統制が弱まる。また、農産物の集荷・販売を担う全国農業協同組合連合会(JA全農)の株式会社への転換も、可能になった。独占禁止法を適用すれば、農業資材コストは低下し、ひいては農家の所得向上で農産物価格が安くなり、消費者も利益を得る。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら