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対話路線だが、言うべきことは言う “解体"騒動に揺れたJA全中の新会長を直撃

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おくの・ちょうえ●三重県出身。JA伊勢組合長などを経て、2011年7月にJA三重中央会会長、15年8月に現職(撮影:尾形文繁)

 “対立から対話へ”を掲げた新路線に対してJAグループ内からは種々の意見が出ている。奥野路線はいいよと言う人、いやいや奥野路線は……と言う人もいる。

私が会長に就任してからは、政府や与党としっかり向き合うようにしてきた。森山裕・農林水産相と以前お会いしたときも「2カ月に1回は政府とJAグループとの会合を持とう」と話した。森山大臣は非常に紳士的で個人的には尊敬している。ただ「政府に何も言えなくなったのか」と批判されないよう、言うべきことはしっかり言っていく。

TPP大筋合意をめぐって重要5品目を守るとした国会決議違反が指摘されるが、私は個別の関税がどうこうという話ではないと思う。本質的に重要なのは日本の農業が「再生産可能かどうか」ではないか。この点は私も政府側も一致している。

TPPで安い農産物が一挙に入ってくるというのはまったくの誤解。いろいろな条件があるから、価格への影響は一概にはいえないはずだ。

TPPを受けてJA全中は11月に政策提言を出した。一貫しているのは「マーケットイン」を重視する姿勢だ。従来は生産者中心に物を考えてきた部分があったが、消費者目線に本格転換する必要がある。

ただ、この提言が総花的だと言う人も中にはいるようだ。それだけ日本の農業が抱えている問題が幅広いということだろう。以前、小泉進次郎さんと1時間強、話し合ったときも「農業は奥が深いし、間口も広いでしょう」と言ったら「まさしくそう思います」と返事された。

価格維持中心か、欧米型の所得補償に軸足を移すのか、農業対策としては二つに一つだろう。どちらにせよ消費者に受け入れられるものでないといけない。農業がしっかりコストダウンし、消費者の求めるものを作る体制に変えていかないと、どんな補償制度を取っても、いくら予算を多くしても本質は変わらない。

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