スカイマークが世界へ 「A380」購入の賭け

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 これに対し、A380は標準で525席、全席をエコノミークラスにすれば800席以上になる特大サイズ。スカイマークは成田からロサンゼルス、ロンドンなどに飛ばす可能性があるが、「本当に800席も埋まるのか、それともファーストクラスも用意するのか」(日系競合他社)、「ネットワークを拡充するために海外のLCCとのアライアンスが必要になるのでは」(航空ジャーナリストの谷川一巳氏)、との指摘が出ている。

さらにスカイマークが今使用する「ボーイング737」とA380は操作体系が違うため、パイロットは別途採用する必要がある。整備部品費や格納庫なども考慮すると、維持運営のコストは莫大だ。

国際定期便への野心

一方、成田空港の発着枠拡大や航空自由化の流れから、スカイマークにとって国際定期便の認可が以前より受けやすくなったのは事実。国内路線の拡充が進み、来年から近距離アジア線を本格化させる同社にとって、長距離国際線に打って出るのは自然な流れといえる。「このまま国内だけやっていていいのかという思いはあった」(スカイマーク幹部)。

しかし、テロなどの外部環境変化で、大手でも一気に赤字に転落してしまうのが国際線の怖さ。日本航空と全日空の寡占で割高だった国内線と違い、競争も熾烈だ。そんな市場に、LCC後進国の雄が前代未聞のA380を引っ提げて参入するとなると、周囲の目はシビアにならざるをえないだろう。

(野村明弘、冨岡 耕 =週刊東洋経済2010年11月13日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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