「安心」や「買い物の楽しさ」を磨き、グーグルと差別化する--田中実・カカクコム社長


 その点、日本ではまだまだネット小売市場は寡占度が低く、中小店舗も頑張っている。しかしそうはいっても、ネット通販利用者層の拡大で、決済など多少のリスクや不便があってもとにかく安いほうがいい、という消費者の比重は減り、多少高くても安心して買えるほうがいい、という人が増えている。
 
 こうなると、いわゆる現金問屋は厳しい。そのため、当社は大株主のデジタルガレージグループと協力して、「価格.com安心支払い」サービスを導入する。これは、銀行の信託を利用して、当社がいったん商品の代金を預かり、商品が利用者に発送されたことが確認されたら、店舗に振り込むというものだ。商品が発送される前にショップが倒産した場合には、信託された代金は利用者に返還する。これを利用すれば、中小ショップからでも消費者は安心して買い物ができるようになる。
 
 アキバ系ショップが繁栄することが、当社の成長には不可欠だ。
 
--楽天はグーグル・ショッピングに情報を提供しない形で対抗している。カカクコムは?

グーグルが価格.comの情報を収集することをブロックしようとは考えていない。意味がないからだ。
 
 現在でもグーグルは強力だが、ヤフーがグーグルの検索エンジンを使うことを決めており、事実上、日本のネット検索は、グーグルに独占されることになる。これからは、自然検索であれ、検索連動広告であれ、どのような結果を出すかはグーグルの考え方一つになる。
 
 当社はもちろんのこと、あらゆるネットショップは、自然検索でいかに上位に検索されるか、いかに効率よく検索広告を出すかが、非常に大きな意味を持つ。そのために広告費を払い、SEOに力を注いでいるわけだが、これからはその結果を決めるのはグーグル1社になるのだ。

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三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

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