万博レガシーを社会に実装する。大阪・関西の未来のカタチ「未来都市」

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夢洲が「未来社会の実験場」として始動する

大阪・関西は今、変貌に向けて大きく動き出している。2025年の大阪・関西万博開催や国が掲げるスーパーシティ構想での大阪府・市の区域指定を目指し、産官学が連携した取り組みが推し進められているのだ。

公益社団法人関西経済連合会 都市創造専門委員長の香川次朗氏は、現在構想中のプロジェクトについて次のように語る。

関電不動産開発株式会社 代表取締役会長
香川次朗 KAGAWA Jiro
公益社団法人関西経済連合会では都市創造専門委員長を務め、まちづくりに関する検討を実施している。

「『夢洲』地区での万博等の大型建設工事においてデジタル技術を最大限に活用する『夢洲コンストラクション』を提案しています。

工事における関係機関がデータプラットフォームを共用することで、交通データを活用した工事車両の渋滞回避、ドローンによる資材運搬・測量、リアルタイムでの建設作業員の安全・健康管理といった先端的サービスの提供を目指す取り組みです。

この取り組みで得た各種データを『万博レガシー』として、万博開催後のまちづくりにおいてはMaaSを含む他分野と連携し、来街者へ魅力的なサービスを提供することを構想しています」

うめきた2期開発を舞台に新たな生活スタイルが生まれる

大阪・関西では、政府が目指す未来社会Society5.0実現に向けた取り組みも顕著だ。大阪大学の尾上孝雄副学長(研究・情報推進担当)は次のように語る。

大阪大学 理事・副学長
尾上孝雄 ONOYE Takao
1991年大阪大学工学部電子工学科卒業。2019年より現職、情報推進本部長、附属図書館長を兼務する。

「本学では2018年度からSociety5.0実現化研究拠点支援事業『ライフデザイン・イノベーション研究拠点(iLDi)』を実施しています。

iLDiでは、人々の医療・健康情報である『パーソナル・ヘルス・レコード』に、日常生活、職場や学校での活動、食事、スポーツなどのさまざまな活動データを加えた『パーソナル・ライフ・レコード(PLR)』という新しい概念を提案しました。PLRを収集し、あらゆる面で個々人のQOL向上のために活用することを模索しています。

まずは本学キャンパス内(5万人規模)でのPLR収集・活用に始まり、2027年全体開業予定の『うめきた2期地区』で240万人規模への拡大を視野に入れています」

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