議員辞め「経営専念」、弁護士ドット元榮氏の真意 代表復帰、次の参院選「不出馬」の胸の内を聞く
国家運営と会社経営はけっこう似ている
――代表権を持つ会長に復帰して、最もやりたいことは何ですか。
端的に言えば、成長戦略の重要な担い手になりたい。
政治の世界でもよく成長戦略といわれるが、成長戦略を実現するのは、結局は民間。国の中にいては成長戦略を描ききれないもどかしさがあった。渋沢栄一ではないが、政治家として国家観を磨き上げたうえで、企業の代表として経済成長を牽引する、ということ。使命感を持って戻ってきた。
――資本家として弁護士ドットコムを見守るという選択肢はなかった?
それは一瞬たりとも考えたことがない。自分がいちばん汗をかいて、事業を引っ張っていくという姿しか想像はつかなかった。
そもそも創業した会社の代表、それどころか取締役まで離れていたことが非常事態。財務大臣政務官として兼業が禁止されており、役職を離れざるをえなかったが、それはあくまで例外的な期間だ。僕は、この会社にフルコミットしている。そこは速やかに戻るのが大事なことだった。
――政治家として活動している間も、弁護士ドットコムのことは頭から離れなかった?
離れなかったですね。当然、政治に全力投球していたので、現場の経営実務はすべて任せていた。ただ、国家の運営と会社の経営はけっこう似ている。ここが共通点で、ここは違う、みたいなことをつねに考えていた。
弁護士という立場を含め、「3つの立場が同時にできるのか?」「どういう時間の使い方をしているのか?」とよく聞かれる。その時はいつも、「全部100%です」と答えている。
経験したことは、いずれの立場にも生かせる。例えば、政治家として郡部の人たちとお酒を酌み交わしている時も、こういう人たちに弁護士ドットコムのサービスを使ってもらうにはどうしたらいいかと考えてみたり。政治家として等身大の国民の方々に接することができたのは、経営者として大きな糧になった。
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