ヒロック・蓑手章吾、初任時の失敗を「うまく乗り越える」コツ 教員デビュー前に知っておきたい4月のリアル

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初任時の失敗をどう乗り越えたか

初任時代は数々の失敗をしてきましたが、とくに大きなものを2つ紹介したいと思います。1つ目は4月中旬の初めての保護者会。学年全体の保護者を前に自己紹介をし、1年の学年方針を話す会です。私は分担された箇所を事前に何度も練習し、当日も何とかやりきりました。

会の終わりに学年主任が「それでは、各クラスに分かれて学級懇談会に移りましょう」と言われ、私は耳を疑いました……ガッキュウコンダンカイ!? 確かに、プログラムを見返すとちゃんと書いてあります。そうです、私は学級懇談会の存在をまったく認識していなかったのです。クラスに移ってから、保護者の前で素直にそのことを話して「何をすればよいか教えてください」と頭を下げました。当時の保護者は、最初はびっくりしていましたが、すぐに笑いであふれ、温かくサポートしてくれたのでした。

2つ目は、家庭訪問。保護者の皆さん一人ひとりと向き合っていると、時間がどんどん押してきます。後半、予定から30分くらい押してしまい、焦っていたのでしょう。何とかすべて回り切り、学校に戻って保護者との話を振り返っていると、どう考えても思い出せない保護者がいるのです。

そんなはずはないと家の場所を確認して、そこで恐ろしいことに気づきました。なんと1家庭、飛ばしてしまっていたのです!時間はすでに1時間近く経ってしまっています。すぐにお電話して、正直に話してひたすら謝りました。その保護者さんは「大丈夫ですよ」と優しく許してくださいました。

私の初任時代はこんな具合で、多くの方から助けてもらってばかりでした。ただただ真っすぐ素直に、熱く、一生懸命向き合ってきました。何とか続けてこられたのは運のよさもありますが、失敗したら正直に謝ることがコツかもしれませんね。

これから初めて先生になる方が、この文章を読んでくれているとしたら、私から言えることは「右も左もわからなくて当たり前! 格好つけず、遠慮せずどんどん聞いて、挑戦して、間違えたら素直に謝るべし!」というところですかね。そのほうが、より楽しい1年が送れると思います!

2年目以降はこの時期、1年後の理想の学級像を毎回考えて、昨年度やらなかった工夫を必ず加えるようにしていました。とくにこの時期は忙しいので、気づいたら昨年度と同じ当番表を作ったり、同じ学級のルールを適用してしまいがち。

でもそれって、成長のチャンスを逃してしまっていると思っています。学級の仕組みや土台をつくるこの時期に、どんな理想でどんな環境を設定するかはとても重要です。前年踏襲に「待った」をかける勇気をぜひ持っておきたいものですね。

(注記のない写真:Ushico / PIXTA)

執筆:蓑手章吾
東洋経済education × ICT編集部

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