油断できない変更点、首都圏私鉄「春ダイヤ改正」 減便や種別変更でいつもの乗り継ぎが変わる?

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現状、仙川駅から新宿へ行く場合、毎時06・26・46分発の各駅停車または快速に乗って千歳烏山で準特急に乗り換え、または区間急行に乗って明大前で特急に乗り換えると16~18分で新宿駅に到達できるが、毎時15・35・55分発の各駅停車だと22分かけて乗り通すしかない。結局、新宿に着くのは1本後の快速→準特急乗り換えコースで新宿に着く1分前だ。特急の千歳烏山停車によって、仙川からはどの各駅停車・快速に乗っても千歳烏山で特急に乗り継ぐことができ、18分程度の所要時間となる。

また、特急の笹塚停車によって、今は特急から都営新宿線への乗り継ぎの際、明大前で一旦各駅停車への乗り換えを挟む必要があるが、これが解消される。

一方、直通先の都営新宿線は日中20分おきの急行の一部を各駅停車にするという。仮に毎時3本から減らすとすれば、京王の20分サイクルダイヤに合わせるために40分おき運転にするだろう……と思うだろうが、「Yahoo!路線情報」でダイヤ改正後の時刻を検索すると、急行は48分おきの運転となるようだ。そんなに少ないなら、いっそ急行の運転はやめれば……と思うところだ。

日中の新宿発急行が減るが…

小田急電鉄

小田急は特急ロマンスカー「はこね」の大幅削減や江ノ島線の藤沢―片瀬江ノ島間が基本的に各駅停車のみの折り返し運転になるといった点が注目されているが、ここでは別の点にスポットをあてたい。

日中の小田原線は、現在新宿―新松田間を走っている急行の運転区間が町田―小田原間へ変更され、新宿発の急行が3本減る。一方で向ヶ丘遊園折り返しの千代田線直通準急が急行に変わる。つまり、今まで新宿発の急行を利用していた人は直前に発車する快速急行で代々木上原へ出て、千代田線から来る急行に乗り換えが必要となる。

新宿―新松田間の急行が町田―小田原間の運行に置き換わるのは一見すると不思議だが、これには最大限利用者に配慮した工夫が見える。単に新宿―新松田間の急行を廃止して、代わりに本厚木止まりの各駅停車を新松田まで延長するといった方策ではなく、新宿発の急行がなくなっても町田以西の急行運転(本厚木まで。急行は同駅―新松田間各駅に停車する)は続けるわけだ。

現行ダイヤをベースに考えると、もし各停を新松田まで延長した場合、本厚木以西の運転間隔がかなりいびつになってしまう。この点を考慮したのであろう。私鉄らしい企業努力が垣間見える。

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