グッドウィル折口帝国崩壊! 自滅もたらした日雇い派遣



不明朗なデータ装備費 使途ないままに徴収

 そもそもこのデータ装備費は、天引きする根拠や使途が不明だとしてかねてから批判されてきたもの。社会問題化したことから、GWは昨年5月に廃止したが、すでに支払った過去分の返済は2年に限るとした。同業のフルキャストが、過去分の全額返済を決めたのとは対照的だ。GWの派遣スタッフは、データ装備費の返還を求めて東京地裁に提訴している。こうした訴訟は愛知県や福岡県など全国各地で起きている。

 東京と福岡の裁判で、GWは「データ装備費」の使途についてこう説明する。「その負担を求める理由・動機は存在しても、特定の使途というものはない」「データ装備費にかかる合意は、スタッフが被告会社に対して1就労当たり200円を支払う義務を片務的に負うものであって、この200円の対価として、被告会社からスタッフに対して何らかの反対給付が予定されているものではなかった」。

 つまり明確な使途など初めからなかったと言っているのだ。とすると、「民間保険料の一部、見舞金等に充当する」という就業規則の記載も、まったくのウソということになる。  

 GWではデータ装備費の一件だけでなく、通常の派遣会社ではありえないような派遣スタッフへの対応が散見される。

 神奈川県に住む女性の派遣スタッフはこう憤る。「長く続けていた仕事なのに急に『明日から人を入れ替えることにした』と言われた。それだけでなく、GWでは、派遣の予定が突然キャンセルされたり、担当者の言うことがころころ変わったりすることが多い」と話す。

 GWでは派遣スタッフとやりとりする内勤の多くがアルバイトで、そこから早ければ1年で支店長になれる。そんな「即席支店長」だけに法令すらよく知らないまま、アルバイトを管理している事もあるのだろう。

 この女性は、冒頭で紹介したケガをした男性と同じく、東和リースを介して笹田組の現場で働いた経験がある。「仕事場だと思って東和の前で待っているとワゴンがやってきて、行き先も告げられないまま笹田組に連れてこられた」と振り返る。

グッドウィル買収の闇 みずほ銀行が債権売却

 コムスンの介護保険での不正が発覚し、データ装備費が社会問題化した昨年ごろから、GWGの折口雅博会長は「買収したグッドウィル・プレミアに集中したい」と周囲に漏らすようになったという。

 人材サービス最大手クリスタル(現グッドウィル・プレミア)を06年に買収し、GWGは一気に人材派遣業界の巨人となった。旧クリスタルもコンプライアンスに問題があった企業だが、中心だった製造派遣を大幅に縮小。現在は技術者派遣のシーテックが旧クリスタルの中核になっており、折口会長もコンプライアンス上の問題が少ない事業に経営資源を集中したい意向だというのだ。

 だが、このクリスタル買収に関しても、いまだに不明朗な点が数多くある。

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