続投・中畑DeNAが抱える「意外な課題」 巨人戦勝ち越しでもクライマックス進出を逃した謎

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「4年目を迎えるということで責任が重くなってくるのは感じている。やる以上はそこ(優勝)を目指さないと意味がない」

交流戦+巨人戦=貯金4、阪神+中日=借金13の「謎」

強化ポイントははっきりしている。まずセ・リーグ最低のチーム打率.254にあえいだ打線。次に12球団最多の113失策を記録している守備である(記録はいずれも10月4日現在)。

さらにもうひとつクリアしなければならないことがある。情報戦だ。

今季は、昨季7勝17敗と苦しんだ交流戦を13勝11敗と2つ勝ち越し、同じく5勝18敗1分けといいようにやられた巨人にも、13勝11敗と9年ぶりに勝ち越した。

昨季合計23の借金をつくった交流戦と巨人戦で、今季は4つの貯金をつくりながら勝率5割に届かなかったのは、阪神戦と中日戦の大幅な負け越しが響いている。昨季14勝11敗の阪神に8勝16敗。同じく13勝11敗の中日に9勝14敗1分け。借金は合わせて13になる。

実は、この2球団には共通点がある。阪神には久保康友のFA(フリーエージェント)補償で取られた捕手の鶴岡一成、中日には昨季限りで契約を打ち切ったデニー友利投手コーチと波留敏夫打撃コーチの2人。サインなど「軍の機密」、手の内を知る人材が流れたのである。少なからず対戦成績に影響を与えているように思う。

サインそのものは毎年変えているが、監督の指示を受けたベンチの伝達係から三塁ベースコーチへのサインが見破られていると指摘する関係者もいる。

打撃、守備強化に情報戦。課題を克服すべくコーチングスタッフをどうテコ入れするか。いったん退団の意志を固めながら強く慰留されている高田GMが、中畑監督4年目となる来季の命運を握っている。

そういえばソフトバンクの前身、ダイエー。1995年に万年Bクラスに沈む、ホークスの監督を引き受けた王さんが、チームを21年ぶりのAクラス、3位に引き上げたのは4年目の1998年だった。そして翌1999年、26年ぶりの優勝を果たすのである。

永瀬 郷太郎 スポーツニッポン新聞社特別編集委員

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ながせ ごうたろう

1955年、岡山市生まれ。早稲田大学卒。1980年、スポーツニッポン新聞東京本社入社。1982年からプロ野球担当になり、巨人、西武の番記者を歴任。2001年から編集委員。2005年に「ドキュメント パ・リーグ発」、2006年は「ボールパークを行く」などの連載記事を手掛ける。共著に『たかが江川されど江川』(新潮社)がある。野球殿堂競技者表彰委員会代表幹事。
 

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