アップルが動画配信に本腰、ついに“趣味”から脱却か


 一方、アップルは05年以降、iTunesでテレビ番組や映画を配信。が、番組は1本2・99ドルと比較的高いこともあり、iTunesの利用者が世界で1億6000万人に上ることを考えると、普及が進んでいるとは言い難い。こうした中、音楽と同じ1本99セントで配信するとなれば、利用率の向上が見込める。

が、音楽配信のように爆発的に普及するには時間がかかりそうだ。たとえば、映像は配信できる地域に「縛り」があり、番組配信は米国のみ。映画も当面、米国や豪州など6カ国のみの展開となる。また、コンテンツ提供者は自社媒体以外での配信に慎重なうえ、格安価格での提供には抵抗感が強い。今回もレンタルに参加するのは米ディズニーなど2社にとどまる。

もっともアップルは「年内には配信する地域を増やす」(ジョブズ氏)と、拡大に意欲的だ。日本でも大手民放局がiPad用独自配信アプリを手掛けようとしたところ、止められた経緯もあり、関係者からは「アップルがiTunes経由で番組を売るのでは」との声も聞こえてくる。はたして、アップルはどこまで食い込めるか。

(倉沢美左 =週刊東洋経済2010年9月11日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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