ニコンが“技術力”の金看板外す決心、カメラ業界の壁が融解《新しい経営の形》

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 複数の部品メーカーなどの証言から、ニコンもまもなく、NEXが嵐を起こしたミラーレス一眼へ参入する公算が高い。カギは“撮った後”の楽しみ方の提案。これまであまり省みてこなかったテーマである。

“撮った後”については、現状ニコンは入力機器しか持たないため、異業種とのコラボに前向きだ。鑑賞という点では、液晶の美しいiPadは写真のビューワーとして最高だ。かつて米アップルとは提携話をそうとう詰めたが実現しなかった。が、本気で変革を志すニコンであれば、再度の可能性もあるはずだ。

また国内では、雑誌『女子カメラ』との合同イベントをマーケティングに活用する。ブログ文化の急伸に伴う女性ユーザー層の増加には、以前から気づいていた。だが、既存のニコンのイメージと“女子”とは両極端にあるだけに、ほとんどアプローチしてこなかった。合同イベントは従来のニコンらしからぬ取り組みで、今後は女性ユーザーの声を商品企画に反映させていく方針だ。

「ニコンはもともとチャレンジをたたえる社風。失敗しても罰はない。大丈夫だからやってみよう」。木村社長はもう一度、目指すべき原点回帰を全社員に呼びかける。

■ニコンの業績予想、会社概要はこちら

(前野裕香 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2010年9月4日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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