ポルシェ初心者も玄人も唸らせる夢の場所の正体 木更津に開いたエクスペリエンスセンターの全貌

最大40°という急斜面を上るだけでなく下りるオフロードエリアでは、カイエンの卓越した走破性を体感できた。カイエンと言えば似合うのは街中、そして高速道路というイメージが強いが、実はオフロード性能も一級品なのだと知れば、見直す人も多いのではないだろうか。また、ドリフトサークルではリアエンジンの911と、ミッドシップの718ケイマンの挙動の違いを再確認した。運転の訓練になるのはもちろん、まさに最新のポルシェの走りの世界をじっくり体験できるのが面白い。

ちなみに走行時間は90分で、オフロードエリアはSUVだけとなるなどいくつかの制限はあるが、基本的にどのコースも選択することができる。すべてドライビングコーチの同乗で、価格は718ケイマンTで4万9500円、911ターボで10万4500円といった設定。額面としては安いとは言わないが、しかしタイヤもブレーキパッドも、どれだけ減らしてもいいと考えれば、実は非常にリーズナブルなのである。

誰でも利用できて入場だけなら予約は不要

もし運転免許証を持っていない、あるいはまずは体験してみたいということであれば、ドライビングコーチが運転するポルシェの助手席に座ることもできる。また、前述の通りドライビングシミュレーターも用意されているから、ヴァーチャルの世界でポルシェのさまざまなモデルで、世界中のサーキットを走行することも可能。こちらは身長130cm以上であれば誰でも体験可能だ。もちろん走行はせず、レストラン、カフェを楽しんでもいい。

ドライビングシミュレーターで“走行”もできる（写真：ポルシェ）

ドライビングプログラム、シミュレーターの利用には事前予約が必要。夏時間なら朝8時から走行できるので、今のこのご時世、早朝にひとっ走りしてからオンラインで仕事に、なんて使い方もできそう。一方、メンバーなどになる必要はなく誰でも利用できて、入場だけなら予約は不要だから、ドライブの途中で立ち寄ってお茶を飲んだり、ポルシェの世界観に浸るのだってアリなのだ。

もはや公道は、ポルシェのような高性能スポーツカーの持てるパフォーマンスを引き出して楽しむのに適した舞台とは言えない。そんな中でもブランドの価値をしっかりアピールしていくにはどうすべきなのか。PECにはスポーツカーブランドの今後に向けた、ひとつの答えがあると言ってよさそうである。