ポルシェ初心者も玄人も唸らせる夢の場所の正体 木更津に開いたエクスペリエンスセンターの全貌

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他のPECのハンドリングサーキットと大きく異なるのは、コースが平面的ではなく、もともとの地形を活かした山岳コースになっていることで、高低差は実に40メートルにも及ぶ。また、右ハンドル主体となる日本の事情に合わせて、本来は左回りのカルーセルが、右コーナーになっているのも面白いところだ。

制限速度100km/hでもガッカリしない訳

道幅の狭いワインディングロードということで、それこそニュルブルクリンク辺りを彷彿とさせるこのハンドリングサーキットは、そういうわけで走行速度が約100km/hに制限されている。それを聞いて多くの走り好きのポルシェ ファンはガッカリしたというのだが、実際にここを走ってみれば、不満など抱くことはなくなると保証する。走りの醍醐味、しっかり味わえること請け合いである。

高低差の大きな山岳コースが整備されている(写真:ポルシェ)

私は最新の911カレラSで走行したのだが、常に先の先を読んで正確なライン取りを心掛けなければうまく走れず、つまりはアクセルを踏み込むことすら叶わない難易度の高いコース設定に、大いに頭を使ったし、また鼓動が速まり、手に汗もかいた。何よりポルシェの性能をしっかり味わえるし、ドライビングの鍛錬になることは間違いない。

さらに言えば、助手席で適切な指示を出してくれるドライビングコーチには本当に頭が下がる思いだった。それなりに怖い瞬間を、きっと味わっているに違いないのだ。

まだハンドリングサーキットは早いかもしれない……と思ったら、あるいは基礎から学びたいと考えたならば、ドライバー育成モジュールを活用するといい。用意されているのは、磨き上げられた滑る路面で、低い速度で挙動変化を体験できる「ローフリクションハンドリングトラック」、地面に埋め込まれたプレートを動かして車両を強制的にスピン状態にする「キックプレート」、低摩擦の円周コースに散水設備がついた「ドリフトサークル」、自然の地形を活かした「オフロードエリア」、舗装された広大なオープンエリアとなる「ダイナミックエリア」の計6つである。

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