ジョン・レノンがオノ・ヨーコと出会った運命の日 『ジョン・レノン 最後の3日間』Chapter32

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「初めて『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』を聞いたときは、不意打ちをくらった気分だった」と、ジョージ・マーティンはのちに振り返っている。

「ジョンがアコースティック・ギターを弾いて1人で歌うのを聞いただけで、これは素晴らしい作品だと感じたよ」

ジョンの心の中にあるものは…

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だが、ジョンはそのサウンドに満足できずにいた。

ポールとジョージ、リンゴに指示を出しながら、幻想的な雰囲気のものからメタリックなものまで、さまざまなバージョンで演奏してみた末に、ジョンは2つのアレンジをくっつけて1つの曲にしてはどうかとマーティンに提案した。

「その案には2つ問題がある」とマーティンは説明した。「まず、2つのバージョンはキーが違う。そして、テンポも違う」

「きみなら、うまくやれるよ」

ジョンはそう言って選択を放棄し、この曲をマーティンの手に委ねることにした。そう、この曲については、それでよかった。

だが、ビートルズにのしかかる巨大なプレッシャーや、行き詰まった結婚生活、そして不安定に彷徨い続ける自分の心からは、逃げることができない。

どちらの方向に足を踏み出すべきか決めることができるのは、ジョン自身しかいなかった。

ジェイムズ・パタースン
James Patterson

1947年米国生まれ。犯罪ものや心理ものを得意とする社会派で、
『ニューヨークタイムズ』紙のベストセラー1位を数多くの書籍で獲得している。デビュー作の『ナッシュヴィルの殺し屋』でエドガー賞を受賞。
ほかにもエミー賞、国際スリラー作家協会賞などを受賞しており、著作は150点以上に及ぶ。2019年にはNational Humanities Medal(米大統領から贈られる賞)を獲得した。翻訳された作品には他に『大統領失踪』『殺人カップル』などがある。映画化された作品も多い。自論は、「本嫌いの人などおらず、ツボにはまる本に出会っていないだけだ」。

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