ジョン・レノンがオノ・ヨーコと出会った運命の日 『ジョン・レノン 最後の3日間』Chapter32
「初めて『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』を聞いたときは、不意打ちをくらった気分だった」と、ジョージ・マーティンはのちに振り返っている。
「ジョンがアコースティック・ギターを弾いて1人で歌うのを聞いただけで、これは素晴らしい作品だと感じたよ」
ジョンの心の中にあるものは…
だが、ジョンはそのサウンドに満足できずにいた。
ポールとジョージ、リンゴに指示を出しながら、幻想的な雰囲気のものからメタリックなものまで、さまざまなバージョンで演奏してみた末に、ジョンは2つのアレンジをくっつけて1つの曲にしてはどうかとマーティンに提案した。
「その案には2つ問題がある」とマーティンは説明した。「まず、2つのバージョンはキーが違う。そして、テンポも違う」
「きみなら、うまくやれるよ」
ジョンはそう言って選択を放棄し、この曲をマーティンの手に委ねることにした。そう、この曲については、それでよかった。
だが、ビートルズにのしかかる巨大なプレッシャーや、行き詰まった結婚生活、そして不安定に彷徨い続ける自分の心からは、逃げることができない。
どちらの方向に足を踏み出すべきか決めることができるのは、ジョン自身しかいなかった。
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