WOWOW、「錦織バブル」後の勝負どころ 独占放送のアドバンテージをどう生かす?

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有料放送のWOWOWにとって、テニスは地上波と差別化できるコンテンツの1つ。放映権料が数百億円にも上るサッカーほどではないが、長年にわたってそれなりの金額を投資してきた。その投資が、錦織選手の決勝進出によって一気に花開いたというわけだ。

新規加入者をどうつなぎ留める?

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WOWOWは9月27日から予選が始まる「楽天ジャパンオープン」も放送する(放送は29日から)

だが、浮かれてばかりもいられない。テニス大会の視聴を主な目的とする加入者の中には、試合が終われば解約するという人が常に一定程度いるからだ。

今回のように、「日本選手の活躍」見たさに加入した人が多ければ、なおさら解約者も増えることが予想される。会社側は「今月27日から予選が始まる楽天ジャパンオープンの放送予定などの情報提供を積極的に行う」ことで、新規の加入者のつなぎ留めにかかる。

ただ、2013年度累計加入者数264万8000件のうち、新規加入者数は50万4000件、解約数は48万7000件で、2012年度と比べると1万7000件の純増にとどまっている。

課題は解約防止。10月からは、加入者が無料で見られる動画配信サービス「WOWOWメンバーズオンデマンド」で、「トッププロのプレーに学ぶグランドスラムテニス塾」という過去4大大会の映像を活用した特別番組を開始する予定だ。

テニス好きの契約者をつなぎ留めるための施策に地道に取り組んでいるが、今回の新規契約者にどこまで響くか、この施策だけでは心もとない。錦織選手の勝負が幕を閉じたこれから、WOWOWの勝負が始まる。

中原 美絵子 フリーライター

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なかはら みえこ / Mieko Nakahara

金融業界を経て、2003年から2022年3月まで東洋経済新報社の契約記者として『会社四季報』『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』等で執筆、編集。契約記者中は、放送、広告、音楽、スポーツアパレル業界など担当。

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