WOWOW、「錦織バブル」後の勝負どころ 独占放送のアドバンテージをどう生かす?

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全米オープンテニスで日本人初の準優勝となった錦織選手(左)。WOWOWはこの快挙をビジネスにつなげられるか(写真:アフロ)

「日本人初の準優勝」という華々しい形で幕を閉じた、全米オープンテニス男子シングルス。錦織圭選手が準決勝を勝ち、優勝への期待が高まった9月7日から9日にかけて、試合の独占放送権を持つWOWOWには視聴契約申し込みに関する問い合わせが通常の10倍以上も寄せられた。

特に決勝戦前夜の8日夜から9日朝にかけては、カスタマーセンターのスタッフだけでなく、営業担当者など手の空いている社員全員が徹夜で対応に当たったほどの反響だった。

「この3日間で契約者がどのくらい増えたか、正確な数値はまだ公表できない」(WOWOWのIR担当者)とするが、通常、主要なテニスの大会の視聴を目的とする新規契約件数は2000~4000件とされており、今回は少なくともその2倍の契約者が獲得できているという。

開局以来、テニスに注力

コアなファン向けのコンテンツであるテニスの4大大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープン)は視聴率が低く、スポンサー集めが難しい。そのうえ、放映権料と中継スタッフなど番組制作費がかさむため、地上波の民放各局は放送していない。NHKもウィンブルドンのみだ。

そうした中で、WOWOWは1991年の開局以来、テニス放送に力を入れており、2008年からは4大大会すべての放映権を獲得し、さらに強化してきた。今大会では、独占生中継した決勝戦の録画放送の権利をNHKに販売もした。

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