「上場企業の社長求む」 ユーシンの後継者公募という奇手
次期社長候補は田邊社長が目指す20年の売上高2000億円の実現へ、M&Aや新興国での成長戦略などグローバル化を指揮することになる。
田邊社長は創業2代目として30年以上も経営者として君臨してきたが、「社内に(後を任せられる)人材はいない」(同)。肝心な後継者の育成を怠った面も否定できない。
そのため、06年に投資ファンドRHJ(旧リップルウッド)が派遣した日産自動車の竹辺圭祐・元常務執行役員に、社長職を禅譲。自身は顧問に引いた。だが08年に経営方針をめぐって対立、引退中の身ながら、竹辺氏を事実上の解任に追い込んだ経緯がある。
2度目の交代に当たる今回も、公募する後継者にどこまで実権を渡すか、定かでない。30年以上社長に君臨した人物があっさり権力を放棄できるか。新社長公募を通じ、田邊社長の“器量”が試される。
(松浦 大 撮影:田所千代美 =週刊東洋経済2010年7月31日号)
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