新型「WRX」この形とサイズが必然であった理由 北米でウケる安心と愉しさの“ちょうどよさ"

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その理由の1つは、スバルがアメリカを主戦場としていることにある。大きく重い(=燃費の悪い)SUVやピックアップトラックをラインナップしないスバルの企業平均燃費は、実のところアメリカ市場ではよい部類に入るのだ。

かの地では、カーボンニュートラルだなんだと言いつつも、実際に売れているのは巨大なSUVやピックアップトラックだ。40年近くアメリカでベストセラーカーに君臨しているのはフォードのピックアップトラック「Fシリーズ」で、ダウンサイジングやハイブリッド化が進んでいるとはいえ、燃費はとんでもなく悪い。

アメリカのベストセラー、フォード「F150」(写真:Ford)

脱ガソリンエンジンを喧伝するGM(ゼネラル・モーターズ)でさえ、もっとも売れているのはピックアップトラックの「シルバラード」だ。巨大なピックアップトラックはアメリカの自動車メーカーにとってドル箱であり、経営の大黒柱。

こうしたピックアップトラックで食べているメーカーが、どうやってエンジンをやめることができるのか。不思議で仕方ないというのが筆者の正直な感想である。そんなアメリカ市場の感覚で見れば、スバルのクルマはコンパクトカーばかりだ。燃費は当然のように、よい部類になる。

アメリカでは、トヨタも日産もフレームを備えた巨大なピックアップトラックを売っているが、スバルは最大でも2.4リッターエンジンを積む3列シートのSUV「アセント」だ。

北米市場で販売される「アセント」(写真:SUBARU)

当然、トヨタや日産のピックアップトラックよりも小さく、燃費はよい。

つまり、アメリカ市場を考えればWRX S4の12.7km/Lという燃費性能は、ことさらに悪いわけではない。ただし、燃費規制の厳しいヨーロッパや、EVシフトが強烈に進む中国市場で販売する予定はないという。

モデル末期でも過去最高の販売を記録

スバルの世界での年間販売台数は100万台前後であり、その7割強がアメリカとカナダからなる北米市場で、その次が日本だ。スバルの主要市場である北米と日本で売れれば、WRX S4は十分に、その役割を果たすといえる。

日本市場でWRX S4は、過去6年間で2万台ほどしか売れていない。年平均でいえば3300台ほどだ。

現行「WRX S4」(写真:SUBARU)

ところがアメリカでは、1年間でおよそ2万5000台が売れるという。

「アメリカでは先代WRX S4を2014年に出して、今も継続して販売しています。ところが、2021年が過去最高に売れているんですね。コロナ禍があけてクルマが買えるということで、月に3000台ペースで売れています。今、本当にコアなファンが飛びついている状況です」と五島氏は説明する。

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