ポルシェ911「3235万円最上級車」の凄まじい実力 ターボSカブリオレに見たスポーツカーの最高峰

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「S」はハイパワー・バージョンの証だ。現代の「ターボ」(580ps)と「ターボ S」(650ps)ではソフトウェアのチューニングの違いにより、パワーが70馬力も異なる。

911のような本格的なスポーツカーの世界で、パワーが上がるということは、それ相応の装備のグレードアップを施さねばならないということだ。トランスミッションやサスペンション、ブレーキなど、すべてに容量アップが要求される。

たとえば「ターボ S」にはPCCB(ポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ)が標準装着される。ディスクの素材がカーボンセラミックなので、放熱性に優れ、高速から繰り返しのブレーキングにも耐える。おまけに、重量は鋳鉄製のおよそ半分と、圧倒的に軽量である。それゆえ、サスペンションの動きが軽快で乗り心地も目に見えてよくなる。

カブリオレは電動式のソフトトップを備え、オープンエアも楽しむことができる。わずか12秒でオープンにもクローズドにもなるため、信号待ちの間でも余裕を持って操作できるし、50km/h以下なら走行中でも開閉できる。運転席と助手席の背後にはドラフトストップと呼ばれる衝立を設置することも可能だ。

そもそも存在感が大きいが輪をかけて主張が強い

田舎の農道で写真を撮影していたら、軽トラに乗ったおじいちゃんから声をかけられたが、街中では男性よりも、クルマに興味のなさそうな女子から熱い視線を浴びた。この迫力あるクルマは何なのか、それにどんな人が乗っているのかという興味だろう。

その外装は、ターボ伝統のワイドフェンダーにエアインテークが口を開け、後部には昇降式の大型ウィングが備わる。三社の神輿もかくや、の迫力がある。タイプ992と呼ばれる現行型はこれまでの911と比べて前後ともに幅広く、リアも腰高なため、そもそも存在感が大きいのだが、輪をかけて主張が強い。

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