要するに、男女ともに、「結婚で損をしたくない」のです。そう言うと、既婚者からは「結婚を損得で考えるようだから結婚できないのだ」とお叱りを受けそうですが、結婚を損得で考えると非婚化が進むのでしょうか?
だとすると、1980年代までの皆婚時代、日本人は損得を考えなかったのでしょうか? そもそも人間は、損得勘定抜きで生きていけるものでしょうか?
実際、1都3県の20~60代の未既婚男女(n=28790)に対して「損得勘定で動くか否か」の差分を調査したところ、未既婚関係なく明らかに「損得で動く」人のほうが多いのです。
年代別にみるととくに20~30代の若者層に顕著です。年を取るとともに少なくなって60代になるとようやく逆転します。男女比較すると、若干女性のほうが多いですが、それほど差もなく、未既婚での差もあまりありません。
思考実験の結果は?
未既婚での差がないことから「損得勘定で動く」と結婚とは相関がないようにも思えます。さらに、深掘りするために、こんな思考実験をやってみました。
10問のクイズに答えて、1問正解につき1万円の報酬を得られる仕事があったとします。単独でやるのではなく、あなたは、見ず知らずの他のもう1人と組んで2人でチームとなって取り組みます。チームとはいえ、クイズに協力や相談をして解答するのではなく、それぞれ別々に取り組みます。報酬を得る仕組みは以下のふたつから選択できます。あなたはどちらを選びますか?
① 他の1人の正解数に関係なく、自分が正解した分だけ自分がもらう
② 他の1人の正解数と合わせて2人の正解数を均等に二等分して報酬をシェアする
これもある意味、損得勘定の問題です。
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