結婚を損得だけで考える人に決定的に欠けた視点 人は損得勘定抜きで生きていけるものなのか?

✎ 1〜 ✎ 81 ✎ 82 ✎ 83 ✎ 最新
拡大
縮小

要するに、男女ともに、「結婚で損をしたくない」のです。そう言うと、既婚者からは「結婚を損得で考えるようだから結婚できないのだ」とお叱りを受けそうですが、結婚を損得で考えると非婚化が進むのでしょうか?

だとすると、1980年代までの皆婚時代、日本人は損得を考えなかったのでしょうか? そもそも人間は、損得勘定抜きで生きていけるものでしょうか?

実際、1都3県の20~60代の未既婚男女(n=28790)に対して「損得勘定で動くか否か」の差分を調査したところ、未既婚関係なく明らかに「損得で動く」人のほうが多いのです。

年代別にみるととくに20~30代の若者層に顕著です。年を取るとともに少なくなって60代になるとようやく逆転します。男女比較すると、若干女性のほうが多いですが、それほど差もなく、未既婚での差もあまりありません。

思考実験の結果は?

未既婚での差がないことから「損得勘定で動く」と結婚とは相関がないようにも思えます。さらに、深掘りするために、こんな思考実験をやってみました。

10問のクイズに答えて、1問正解につき1万円の報酬を得られる仕事があったとします。単独でやるのではなく、あなたは、見ず知らずの他のもう1人と組んで2人でチームとなって取り組みます。チームとはいえ、クイズに協力や相談をして解答するのではなく、それぞれ別々に取り組みます。報酬を得る仕組みは以下のふたつから選択できます。あなたはどちらを選びますか?

① 他の1人の正解数に関係なく、自分が正解した分だけ自分がもらう

② 他の1人の正解数と合わせて2人の正解数を均等に二等分して報酬をシェアする

これもある意味、損得勘定の問題です。

次ページ結果のグラフはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT