ECBの追加緩和観測で一段のユーロ安へ 4日の欧州中央銀行理事会に注目

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このうち(1)と(2)はすでに発表されており、残す施策はFRBや日銀が行っている量的緩和(QE)に相当する(3)の資産買取プログラムということになる。(3)の条件の具体例としては、「総需要の広範な悪化で『緩やかな回復』というシナリオが頓挫した場合」と「大幅な供給ショックで中期的なインフレ期待の錨が外れた場合」が挙げられている。当社は現時点でQEを基本シナリオとしていないものの、足元で追加緩和の可能性は高まっている。

ユーロ安が継続へ

ECBの追加緩和観測が高まる中、バークレイズは年末にかけてユーロ安基調が継続すると見込んでおり、現時点で年末のユーロ/ドル相場を1.28と予想している。ここ数カ月間よりも緩やかなペースでのユーロ安を見込んでいる背景としては、現時点でQEを予想していないことに加え、ユーロ・ショート・ポジションが既に大幅に積み上がっていることがある。

リスク要因としては、ウクライナ情勢懸念が高まった場合には欧州経済への悪影響を通じてユーロ安圧力が強まろう。

一方、全般的なリスク・オフとなりキャリー・トレードが巻き戻される展開となった場合、資金調達通貨として使われているユーロが一時的に買い戻される可能性もあろう。実際、ユーロと欧州株の相関は6月ECB理事会以降にマイナスに転じている。

門田 真一郎 バークレイズ銀行東京支店 為替ストラテジスト

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かどた しんいちろう

 

米UCLA経済学部卒。2008年バークレイズ証券株式会社に入社。調査部にて銀行戦略調査を担当した後、 2009年に外債ストラテジー・チームに異動し、米国を中心にカナダ・メキシコを含む北米地域の経済・市場動向の調査を担当。 2013年にバークレイズ銀行に異動し、為替ストラテジストに就任。海外拠点の為替・金利・経済チームとのネットワークを活かし、為替市場見通しのほか海外経済・政治動向などについて幅広い情報提供を行っている。

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