3億円築いた元会社員が語る「成長株発見」5つの技 決算短信の1ページ目にヒントは隠されている
注目すべきは、業績予想に変化があったときです。
業績予想の修正は、決算発表より前に発表され、決算時にはその修正が反映された数字が記載される場合と、決算発表と同時に発表される場合があります。決算短信に「修正の有無:有」となっている場合は、決算と同時に業績予想が修正されています。「修正の有無:無」であっても、事前に修正が発表されている場合もあるので注意してください。
業績がよくなったときは「上方修正」、悪くなったときは「下方修正」で、数字によって今後の成長ストーリーに変化が出てくるため、株価を動かす要因となります。修正内容によっては、株価が1日の値幅制限の上限・下限に達する「ストップ高」「ストップ安」まで動くこともあります。
ただし、成長株の場合は、下方修正であっても「先行投資」による前向きな「下方修正」というケースもありますので、修正理由や内容は確認しておきましょう。
レーザーテックの2021年6月期第3四半期における、通期の連結業績予想は売り上げが620億円で前期比45.6%増、経常利益は200億円で前期比32.3%増、「修正の有無:無」になっています。
その後、レーザーテックは2021年8月6日にこの業績予想を上回る2021年6月期の本決算を発表しました。最終的な売り上げは702.5億円(前期比65.0%増)、経常利益は264.4億円(前期比74.9%増)と、従来の予想をさらに大きく上回って着地しました。
業績の進捗率を計算してみる
「業績進捗率」は決算短信の中に記載されているわけではなく、電卓などで計算する必要があります。
レーザーテックの2021年6月期第3四半期時点の今期予想は、すでに第3四半期まで終わっているので、実績値が出ています。
売り上げは、第3四半期までの累計で519.5億円、通期の予想が620.0億円。今までのペースでもう1四半期分、売り上げが増えた場合、実績値の約1.33倍が想定される通期売り上げになります。
レーザーテックの2021年6月期第3四半期までの進捗率は、「5195×1.33=69096909/6200=1.1144」で計算します。すると、売り上げ進捗率は111.4%になります。
●第1四半期の場合:4倍
●第2四半期の場合:2倍
●第3四半期の場合:1.33倍
△売り上げ・利益の進捗率のいずれかが会社予想より下
○売り上げ・利益の進捗率がともに会社予想より上
つまり、このペースで行くと会社予想を11%超上回って着地することになります。
一方の経常利益はこれまでの累計が189.6億円で、通期予想が200億円ですから、
「1896×1.33=25222522/2000=1.26」
と会社予想より26%増益になりそうです。
そして、実際の本決算では売り上げ702.5億円(>690.9億円)、経常利益264.4億円(>252.2億円)と、第3四半期時点の累計の1.33倍をさらに上回る好結果となりました。
このように、同じ決算発表でも、第1~第3四半期は会社の通期予想に対する進捗率を計算して、業績が会社の予想通りに進んでいるかどうかを確認しましょう。
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