「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト 酒井穣著

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最終章の「育成プログラムの具体例」では、酒井氏が勤めるフリービット(2000年創業、2007年マザーズ上場)で効果が確認されている8つのプログラムが紹介されている。どれもユニークだが、いちばん驚くのは最初に取り上げられている読書手当だ。毎月1万円を上限に購入書籍の半額を補助しているという。

その理由は「読書をすることこそが学習の根幹」であり、「本を読むことが好きになってしまえば、それだけで人材育成の半分までもが完成」だからだ。言われてみれば納得できる。本は業務に直結しているものでなくてもいいが、社内ネットに書評を公開しなくてはならない仕組みだ。

どの企業でもいますぐ実行でき、もしかすると人材育成に最も効果的かもしれない。ただし、人事部から「読書手当」という提案を取締役会に出しても、通るかどうかはおぼつかない。そもそも人事部段階でためらうだろう。だから日本企業で人は育たない。
(HRプロ嘱託研究員:佃光博=東洋経済HRオンライン)

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