仕事選びに迷ったら意識したいたった1つのこと 俳人・夏井いつきさんが説く「進路と仕事」

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昔から、「仕事に生きがいを持とう」「楽しめることを仕事にしよう」といったメッセージをよく耳にします。しかし、最初から「こうなりたい」と志を持ち、そこを目指すことのできる人のほうがまれなのではないでしょうか。

今考えてみると、私が教員時代にやってきた進路指導なんて、うそっぱちだったなと思うんです。

一番上に目指す職業があり、そこから進むべき大学や資格、さらには高校と目標を落としていく指導をしていたのですが、その時点で明確な将来の目標を持っている子はほとんどいませんでした。

本当の意味での生きがいは自然と出てくる

それは高校生も大学生も変わらないはず。

なぜなら、本当の意味での「生きがい」や「楽しさ」は、長く働き続けていく中で、自然と体に寄り添うようにポコッと出てくるものだから。

ですから、仕事は長く続けられることがまず大事。そのためには、耐えやすいことを選択するのが一番のポイントだと思います。

私にとっては「子どもたちを相手に何かを教えること」「俳句に興味のない人たちに向けて魅力を伝えていくこと」「テレビや講演で人前に立つこと」は、耐えやすいことでした。

誰かにとっては「よくそんなことできるね」ということでも私には耐えやすい、凌ぎやすいから続いているんです。

(写真:Woman type編集部)

長く耐えていると、少しずつ仕事ができるようになってきます。できるようになってくると、仕事や働くことの面白みがわかり出してくる。もう少し続けられそうな気がしてきます。

そうやって続けていくと、今度は誰かから感謝されたり認められたりする。そこで初めて「生きがい」や「楽しさ」が手に入ります。

ですから、まずは耐えやすいことを選択し、長く続けてみてください。すると、自分のどこかにそっと「生きがい」や「楽しさ」が寄り添ってくるはずです。私にとっての「俳句」がそうであったように。

(取材・文/阿部裕華 撮影/洞澤 佐智子〈CROSSOVER〉)

夏井いつきさん/俳人
1957年生まれ。俳句集団「いつき組」組長。創作活動に加え、TBS系『プレバト!!』俳句コーナー出演などテレビ、ラジオでも活躍している。『夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業(PHP研究所)』など著書多数。■TwitterYouTube

 

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『Woman type』編集部

「Woman type」は、キャリアデザインセンターが運営する情報サイト。「キャリア」と「食」をテーマに、働く女性の“これから”をもっと楽しくするための毎日のちょっとしたチャレンジをプロデュースしている。

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