カローラクロス対ヴェゼル、最新SUVを徹底比較 若干クラスは異なるが、価格ではライバル関係

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ヴェゼルのe:HEV+リアルタイムAWDのシャーシイメージ図(写真:本田技研工業)

一方、ヴェゼルのパワートレインは、1.5リッター直列4気筒エンジンのガソリン車と、同じエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車を設定。駆動方式はガソリン・ハイブリッドの両方に2WDと4WD(一部をグレードを除く)を用意する。ラインナップの中心はハイブリッド車で、全3グレード(e:HEV X、e:HEV Z、e:HEV PLaY<プレイ>)を用意。ガソリン車は、先代の5グレードに対し1グレード(G)のみの設定となった。

両車は、搭載するエンジンの排気量が違うだけでなく、とくにハイブリッドのシステムなどに違いがある。カローラクロスのハイブリッド車は、シリーズ・パラレルという方式を採用する。発進時や低速走行時などはエンジンを停止し電気モーターのみで走行、車速が上がり通常走行する際は主にエンジンを使用する。また、急加速時などアクセルを強く踏み込んだときや高速道路などを走行する際は、モーターの動力が必要に応じてエンジンをアシストするシステムだ。

対するヴェゼルは、走行用と充電用といった2種類のモーターを搭載する独自の「e:HEV」システムを採用する。発進時や市街地の低速走行ではエンジンを停止してモーターのみで駆動するEV走行を行う。また、速度が上がるとエンジンが発電し、より多くの電力を供給しながら走行用モーターで駆動するほか、加速時などは発電用モーターも電力を供給するハイブリッドモードに切り替わる。さらに高速クルーズ時など、エンジンの得意領域ではエンジンのみを使ったエンジンモードを用いる。

ハイブリッド燃費ではカローラクロスに軍配

カローラクロスのハイブリッドシステムイメージ図(写真:トヨタ自動車)

両モデルのハイブリッド車は、いずれも高い燃費性能を発揮するが、カローラクロスのほうが若干いい。WLTCモード総合の燃費では、カローラクロスが2WD車26.2km/L、4WD車24.2km/L。対するヴェゼルは、2WD車24.8~25.0km/L、4WD車22.0km/Lだ。これらの差は、あくまでカタログ数値上の比較のため、実際は走行状況などによって変わってくる。実燃費において、両車に圧倒的な差が生じることはないだろう。

だが、カローラクロスは、車格がより大きく、車両重量もハイブリッド車で1380~1510kgと、ヴェゼルe:HEV車の1350~1400kgより重い。最大で100kg以上の差だ。それにもかかわらず、燃費性能がヴェゼルと互角かそれ以上というのは、さすがトヨタだといわざるをえない。1997年の初代「プリウス」以来、長年熟成されてきたトヨタのハイブリッド技術に一日の長があることは確かだ。

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