高まる大日本・凸版の存在感、電子書籍で印刷会社にすがるしかない出版社の実態



電子書籍への対応は紙の顧客獲得にも直結

足止めを食らっているアマゾンをよそに、「電子書籍元年」の高揚感は高まる一方。大日本、凸版以外の印刷会社も、電子書籍関連事業に続々と乗り出している。
 
 印刷3位の共同印刷は、グループ会社の「デジタルカタパルト」が、電子コミックを制作・配信。6月には同社のビュアーを用いて小学館が『少年サンデー』のiPhone向けアプリの販売を開始した。

図書印刷は、主にケータイ配信向けのコミック、書籍の電子化を請け負っており、iPhone向け電子書籍アプリの制作・販売事業を準備中。廣済堂はすでに行っている電子書籍アプリの制作、販売のほか、多数の電子書籍アプリを集めたストア型アプリの開発を進めている。

廣済堂・ITソリューション統括ユニットマネジャーの林太一氏は「実際のビジネス規模はまだまだ小さい。しかし、電子書籍化にも対応していることを出版社にアピールすれば、紙媒体の出版印刷の新規受注にも効果がある」と話す。
 
 その事情は大手も同じ。「デジタルの市場規模はまだ小さい。印刷もあり、デジタルもある。それで初めて投資回収できる」(凸版印刷・経営企画本部の朝田大氏)。

今でも主流は圧倒的に紙の出版物であり、「電子書籍」の勝負は、まだ序盤戦すら始まっていないような段階だ。が、出版社の間で、紙+電子書籍の両方を提案できる印刷会社の受けはいい。「旧大陸」に住む老舗出版社を「新大陸」へと運ぶキープレーヤーになることは、ほぼ間違いなさそうだ。

(週刊東洋経済2010年7月3日号 特集「新しい支配者は誰か? メディア覇権戦争」より)

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