平均購入額530万円「アル/ヴェル」購入者の実態 人気モデルならではの購入パターンが見えた

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仮に現金一括購入にこだわる人が、5~7年後に再び同様の金額で新型に乗るとすると、単純計算で1年あたり60万円程度、1カ月あたり5万円程度の支出で保有となる(維持費を除く)。年間60万円ずつ新車購入資金を貯めればいいとなれば、買い替えが具体的にイメージできるだろう。

最後に「車種決定の理由」と「決定のこだわり度」を確認する。

「車種決定の理由」では「車そのものが理由」、「決定のこだわり度」では「ぜひこの車種にしたい」のスコアが高く、アルファード/ヴェルファイアへの強い支持を示していることが見えた。

アルファード/ヴェルファイアは国内のみならず、中国、香港、タイやその他ASEAN諸国の富裕層の間でも広く購入されている。「ミニバン」ではなく「大空間高級サルーン」をテーマに開発し、これまでのセダン需要を取り込んだ戦略は大きく成功していると言える。現状では競合と言えるような車種は国内には存在しないため、今後も独壇場が続くであろう。

近づいてくるフルモデルチェンジの足音

ここまでアルファードとヴェルファイアを並列に語ってきたが、ここ数年ヴェルファイアの販売台数は大幅減少している。と言うよりも、ヴェルファイアからアルファードに需要が流れており、冒頭のとおりアルファードが絶好調だという見方が正しいだろう。

「アルファード+ヴェルファイア」の合計販売台数は毎年増加しているが、2021年上半期時点のヴェルファイアの販売台数は、アルファードの1/10以下、ランキングも40位台と低調であり格差が広がっている。

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次のフルモデルチェンジではヴェルファイアが廃止され、アルファードに統合されると見られており、メーカーや販売店もアルファードに販売を絞っていると考えられる。実際、ヴェルファイアは今、売れ筋の1グレードのみで、ボディカラーも2色だけしか販売されていない。

経営の効率化という枠組みの中で、兄弟/姉妹車は縮小傾向にあるので、この方針もやむなしというところだろう。フルモデルチェンジの足音も近づく中で、現行モデルの販売がどう推移していくのか。そして新型がどう受け入れられるのか。人気車種の動向に注視していきたい。

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三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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