平均購入額530万円「アル/ヴェル」購入者の実態 人気モデルならではの購入パターンが見えた

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そこで、まずは保有年数の違いに着目した。「Car-kit®」では前有車の購入年データを取得しているので、今回、購入した車の購入年から差し引きすることで、前有車の保有年数がわかる。すると、アルファード/ヴェルファイアから乗り換えた人は、それ以外の車種に乗っていた人よりも保有期間が1年ほど短いことがわかった。

 

つまり、トヨタ側の視点で言えば、アルファード/ヴェルファイアを一度購入してもらえれば、そのうちの半数程度はアルファード/ヴェルファイアへの代替えが期待でき、買い替えサイクルが加速する、といいことづくめである。

リセールバリュー(再販価値)の高い車種ならではの、傾向だといえるだろう。高値で売れるため、車検などのタイミングで「わずかな出費で乗り換えられますよ」と誘導できるわけだ。

アルヴェルからか、「それ以外」からか

前有車がアルファード/ヴェルファイアか、それ以外の車種かでの分析を続ける。次のデータは支払い額、値引き額、下取り額についてだ。

 

1つずつ見ていくと、「値引き前車両本体+オプション価格」はほとんど変わらず530万円程度である。前有車が何であれ、売れ筋グレードやオプションに影響を及ぼすことは考えづらいので違和感はない。

売れ筋グレードの1つである「S“C パッケージ”(2WD・7人乗り)」が468万1600円だから、これにカーナビなどのオプションを追加していくとそれぐらいになるだろう。

「S“C パッケージ”」は2列目に上級仕様のエグゼクティブパワーシートを装備する(写真:トヨタ自動車)

続いて「値引き額」であるが、こちらも差はない。それまで乗っていた車種によって、決算セール期に購入が集中するといった時期への影響は考えられないので、こちらも納得の結果だ。

注目すべきは「下取り額」で、実に80万円近くも差がある。

アルファード/ヴェルファイアは相対的に車両本体価格が他の車種より高く、人気車種であるためリセールバリューも高い。また、1つ前のページで示したとおり平均保有期間が1年ほど短いため、1年分“型落ちしていない状態”で下取りに出されるため、下取り額が高くなっているのだ。

結果として、アルファード/ヴェルファイアからの乗り換えをした人は、平均値としては300万円台後半から乗り出している。

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