「ワクチンパス」導入したフランス観光地の現在 大ダメージを受けていたが徐々に回復へ向かう

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パリ市庁舎前に設けられたワクチン接種会場(写真:筆者撮影)

東京オリンピックの閉会式。次の開催地のパリがコールされると、画面にはエッフェル塔が登場し、パブリックビューイングへ「密」に詰めかけた人々が映し出された。日本と同じコロナ禍の世界。しかし画面の向こうに広がるフランスそしてヨーロッパはすでに次のステージに足を踏み入れている。

フランスの新型コロナ新規感染者は1日1.9万人(2021年8月26日現在)。しかし、フランスではレストランの店内飲食やアルコールの提供は行われ、パリでは多くの人が、義務が解かれているため屋外ではマスクをつけていない。現在の彼らの生活のベースとなっているのが衛生パス(Pass sanitaire:パス・サニテール)である。

同パスポートは現在、レストランやバー、各県の地方長官が指定する百貨店やショッピングセンター、セミナー、長距離移動のための電車・バス・飛行機など交通機関、病院や高齢者施設などを訪問する同伴者、見舞客および患者(救急搬送される患者は除く)、娯楽イベント、フェア、見本市などで提示が義務付けられている。

衛生パスとは具体的には何か?

フランスで実施されている衛生パスとは、「ワクチン接種証明」「陰性証明」「治癒証明」のいずれかを含んだQRコード付きデジタル証明書または紙の証明書のことである。

衛生パスが入ったアプリの画面(写真:筆者撮影)

ワクチン接種証明とは、欧州医薬品庁が認めた4種類のワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン)のいずれかを接種したことの証明だ。

2回接種が必要なワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)については、2回目接種から7日間経過後、1回接種のワクチン(ジョンソン・エンド・ジョンソン)については、接種から28日間経過後から有効となる。過去にコロナ罹患歴がある人は、ワクチン接種は1回のみでよく、接種後7日間経つと有効になる。

陰性証明とは、72時間以内に取得したPCR検査または抗原検査に基づいて、新型コロナウイルス感染が陰性であるという証明のことだ。PCR検査については、結果を得られるまで少々時間がかかるが、抗原検査であれば15分ほどで結果がわかる。そのためワクチン接種ができない人は、この陰性証明をもって衛生パスとする。自己検査キットを用いた医療専門家の監督下で行われる検査に基づく陰性証明書も認められている。

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