ミサイル開発や領空侵犯が示す高まる中国の脅威 ホワイトハウスは潜水艦弾道ミサイルの射程
中山泰秀防衛副大臣は28日、長距離ミサイルの開発や度重なる領空侵犯など中国が強硬姿勢を強めており、同国の脅威が高まっているとの認識を示した。
中山氏は米ワシントンのシンクタンク、ハドソン研究所の講演で、中国の新型潜水艦発射弾道ミサイル「巨浪(JL)3」の射程距離を示す地図を手にし、「東海岸やホワイトハウスに照準を定めることはすでに可能だ」と指摘した。
中山氏は中国が主張している南シナ海の領有権や、台湾を巡る問題などについても触れたほか、日本の防衛政策強化にも言及した。「われわれは台湾の友人ではない。われわれは兄弟だ」とも語った。
岸信夫防衛相は先月、防衛予算について、国内総生産(GDP)比で1%の枠にこだわらず増やす方針を示していた。これに対し中国側は、日本が軍拡競争を引き起こそうとしている兆候だと指摘。一方、日本政府が2021年版の防衛白書素案で「台湾情勢の安定は日本の安全保障や国際社会の安定に重要」と明記したことに対し、中国側は反発を示していた。
台湾情勢は「日本に直結」、中台の軍事バランス変化に懸念-岸防衛相
中山氏はバイデン米大統領の対中・アジア政策について、トランプ前大統領よりも強力な政策だと評価。菅義偉首相がバイデン氏と対面で会う初の外国首脳であったことなど日米関係は緊密だとした上で、中国による軍事力の強化や台湾侵攻に備えるよう米国に呼び掛けた。
さらに、台湾で有事が発生した場合、米軍が駐留する沖縄にも影響が及ぶとの認識を示した。
一方、中国外務省の汪文斌報道官は29日、中山氏の台湾に関するコメントを非難。同氏の発言を否定するよう日本側に求めた。
汪報道官は北京で開いた定例記者会見で、中山氏の発言に関して日本に厳正な申し入れを行ったと説明。今回の発言は非常に悪意があり、無責任で危険だと述べた。
加藤勝信官房長官は30日午前の記者会見で、中山氏の発言に関して従来の日本政府の立場を前提に「ご本人の個人的な考えを述べられた」との見解を示した。
原題:Japan Defense Official Outlines Threat From More Assertive、China Protests Japan Official’s ‘Sinister, Dangerous’ Comments(抜粋)
(最終段落に加藤官房長官のコメントを追加しました)
More stories like this are available on bloomberg.com
著者:Brody Ford
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら