「未使用の新聞紙がアマゾン大量出品」の深い事情 ペットトイレ用で販売、実は新聞の苦境を反映

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5月18日、筆者はアマゾンから次のような営業メールを受け取った。

「以下のおすすめ商品は、お客様がこれまでに購入された商品、またはご覧になられた商品に基づいて紹介させていただいています。」

この前文に続いて、朱色の太文字で「犬用品」とあり、新聞束の写真が掲載されていた。

受信したメール文面(写真:弁護士ドットコム)

残紙ビジネスの温床-ABC部数のロック現象

残紙が発生するメカニズムをさぐるために、筆者はABC部数の変化に不自然な点はないかを調べた。最初に、「AMAZON・楽天市場通販事業部」がある愛知県海部郡における朝日新聞の朝刊部数を解析した。筆者が注目したのは、部数の変動パターンである。(ABC部数は、4月と10月の部数が広告営業のデータとなる)

朝刊部数の変動パターン(図表:弁護士ドットコム)

2017年10月から2018年10月までの部数は、増減ゼロだ。ABC部数は、下一桁まで公査するが、3期(1年半)に渡って、朝日新聞社が同じ部数を搬入したことになる。部数のロック(固定)は、2019年4月から10月(2期1年)にかけても起きている。

搬入部数を1部も減らしていないわけだから、当然、新聞の長期衰退傾向の中で、読者が減っていれば残紙が発生する。海部郡の朝日新聞が、アマゾンに持ち込まれている証拠はないが、残紙が発生しうるメカニズムは説明できる。

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