JR中央線、「グリーン車」連結に向けた現在の変化 23年度末登場、各駅でホームの延伸工事進む

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車両については都合58編成にグリーン車を組み込むが、それとともに普通車(既存車両)にもトイレを設置する。グリーン車は他線と同様、4・5号車に連結する計画で、その隣の6号車がトイレ付き普通車となる。

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グリーン車組み込み前の現状では4号車が該当するが、編成組み替えの関係から10両貫通編成の場合はサハE233形、6+4両分割編成の場合は6両基本編成中のモハE233形と、2種類がある。2020年度末の時点で設置編成は約3割となっており、車両基地の処理施設が整った2020年3月からトイレの使用を開始している。

また、車両改造の入場に伴い稼働できるE233系の編成数が減るため、2019年に常磐緩行線から退いた209系1000代2編成が、オレンジ帯に貼り替えて運用に就いている。さらに2020年6月、E233系10両固定編成(T71)が新造投入されている。

どうなる? 2分折り返しでのグリーン車整備

中央線への新造投入は12年ぶり。これにより中央線向けE233系0番代は10両固定T編成43本、分割H編成17本、青梅・五日市線用の6両編成10本、4両編成8本、計692両(6両編成1本は南武線転出)である。青梅・五日市線用の編成はグリーン車連結の対象ではない。

増結するグリーン車については、完成時期等はまだ明らかにされていないが、実際の運用についても興味は尽きない。朝ラッシュ時2分間隔の中央線で、はたして東京駅の折り返しはどうするのだろう。他線に導入されている車両と異なり、両引き式ドアで乗降性を高めることはわかっているが、座席転換や清掃はどうするのか。東京ー新宿間は片道非営業としてその間に整備を実施、その非営業の方向は朝夕ラッシュなどの需要の方向に応じて切り替えるような措置でも採るのだろうか。これから大いに話題を集めつつ、中央線はまた大きく変化する模様である。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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