JR貨物から消えた「DD51」、完全引退はいつだ? かつては「SLの敵」、現在は希少種で大人気

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縮小

JR貨物では、北海道・東北・関東・中京・関西・中国・九州地区でDD51が使用されていたが、東北・関東・関西・中国・九州地区では貨物列車の廃止や電気機関車等への置き換えなどでDD51が要らなくなってしまった。北海道では後継のDF200が投入されたうえ、道内の貨物列車の縮小によって2014年にDD51が引退したが、石北本線の臨時貨物列車(玉ねぎ列車)が最後だった。

JR貨物のDD51が最後まで残ったのが中京地区で、稲沢~四日市・塩浜間など、関西本線関連の貨物列車で使用されてきたが、こちらも北海道で余剰となったDF200を改造することでDD51の置き換えが開始された。後継のDF200は2016年から関西本線に入線、2018年から本格的に使用され、3年がかりでDD51を引退させている。

JR貨物からDD51が消えた後は、JR東日本とJR西日本でDD51が残っている。JR東日本では、吾妻線の小野上に線路のバラスト(敷石)を積み込む施設がある都合で、「小野上工臨」と呼ばれる工事列車が運転されている。この列車にDD51が使用されてきたが、後継車両として砕石輸送用のGV-E197系が登場しているだけに、JR東日本からDD51が消えるのも時間の問題となろう。

最後は「DLやまぐち」か?

残るはJR西日本のDD51で、山陰本線で寝台特急「出雲」を牽引した実績もあるが、現在はレール輸送や砕石輸送用の工事列車や、車両工場に出入りする車両の牽引などで使用されている。

SL津和野稲荷号をサポートするDD51(写真:F4UZR/PIXTA)

また、「SLやまぐち」号のピンチヒッターとして使用される車両があり、「SLやまぐち」号が立往生して救援に向かう際に使用されるほか、蒸気機関車のC57やD51が故障すると代わりに客車を牽引したこともあったが、2021年には正式に「DLやまぐち」号という名前が付いてしまった。

蒸気機関車の敵役もいよいよ数が少なくなり、見かける機会が少なくなった。「DLやまぐち」号が旅客列車として最後となるのか、注目されるところだ。

柴田 東吾 鉄道趣味ライター

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しばた とうご / Tougo Shibata

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR・私鉄路線は一通り踏破したが、2019年に沖縄モノレール「ゆいレール」が延伸して返上、現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。『Rail Magazine』(ネコ・パブリッシング)や『鉄道ジャーナル』など、寄稿多数。

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