郵政改革法案は、生命保険会社の信用力にマイナス影響も、計り知れない「かんぽ」の力《ムーディーズの業界分析》

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 とはいえ、通常、医療保険商品のような保障性商品は、貯蓄性商品とは異なり、環境次第で他社商品に乗り換えるということが起こりにくい。したがって、かんぽ生命の医療保険ビジネス拡大による各社への影響は、保有契約全体の減少ではなく新契約の減少という緩やかな形で現れると考える。

医療保険ビジネスの新契約(年換算保険料)を見ると、トップはアフラックであり、それに大手4社(日本生命、第一生命、住友生命、明治安田生命)やかんぽ生命、アリコが続く。

市場全体では圧倒的なシェアを有するかんぽ生命だが、このセグメントではまだ目立っていないといえる。一方で、上限金額のある入院特約しか販売していない現在でさえ、この存在感を示しているという解釈もできる。

上限によって抑えられている潜在的な販売力をかんぽ生命が発揮した際の影響は、計り知れないといえよう。

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