「刀」の森岡氏が男性化粧品会社を支援する理由 「世界一のブランド」を創るには何が必要なのか
日本企業の場合、このケースで行くと、ほとんどが「それぞれの国に受け入れられそうな4つの異なる戦略」を描こうとします。最初から設計が間違っているのです。そのため、一つ一つの国を攻略するのに時間がかかりすぎ、失敗に終わるという現実があります。
しかし、バルクオムは最初から世界制覇を狙ってブランド展開をしようとしています。たとえば世界の多くの人がシャネルというブランドへの憧れによってフランスという国に興味を持つ、あるいはフェラーリというブランド好きが高じてイタリアが大好きになるように、バルクオムを通じて世界中の人々が日本に興味を持つようになったら、それは日本のためにとても良いことだと考えたのです。
戦略投資家として「世界一ブランド」を実現
もうひとつの理由は、刀がこれまで培ってきたブランドの設計能力に関するノウハウを存分に発揮できると考えたからです。
先述のように、世界を制覇できるかどうかはブランドの設計能力で決まります。企業の成長ステージでは、売上高でみると50億円、100億円、300億円、500億円、1000億円など多くの段階で壁にぶつかりますが、こうした成長の壁を乗り越えられるようにするには、結局「ブランドと組織をどう設計するか」に集約されます。今、刀には約50名の社員がいますが、そのなかには世界中で化粧品を売ってきた人間が大勢います。そのノウハウが、きっとバルクオムが世界ナンバーワンブランドになるうえで役立つと思ったのです。
何よりも、刀には「バルクオムと同じ夢を追いかけたい。そのためにいろいろな形で応援したい」という想いが強くありました。夢をともに実現するために、今回は資本参加という形でパートナーシップを結びました。バルクオムはベンチャー企業ですし、今は私たちの決して安くはないフィー(報酬)を払い続けられるようなステージにはありません。その意味でも、資本参加という方法が最良の選択だと思っています。
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