ラクオリア創薬、異例の株主提案への「大反論」 経営をめぐる大株主との「すれ違い」が表面化

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ラクオリア創薬の谷直樹社長は、大株主からの提案について反論した(写真:ラクオリア創薬)
筆頭株主である柿沼佑一氏から、谷直樹社長の退任をはじめとする取締役の大幅刷新を突きつけられたラクオリア創薬。2月12日には反論書を公表した。
柿沼氏とのこれまでのいきさつや株主提案に対する考えなどについて、谷直樹社長や渡邊修造副社長ら現経営陣に聞いた(インタビューは2月12日に行った)。

株主提案は唐突かつ意外だった

――株主提案について、率直にどう受け止めましたか。

 提案は正直、唐突かつ意外だった。というのは、筆頭株主の柿沼氏とはこれまでもコンタクトしてきたからだ。会社の個人株主向けの説明会などに参加してくれていたし、われわれから説明することもあった。われわれのやり方を理解し、支持してくれている、と思っていた。

髙松 2020年の12月上旬に柿沼さんに年末のあいさつに行きたいと伝えたが、柿沼さんから忙しいと言われてしまった。それで今年の年頭にあいさつに行くと、いきなり株主提案を出すと言われた。

――柿沼氏によると、2020年8月の業績予想修正後に谷社長の交代を要求したのに、会社から返事もなかったといいます。渡邉さんとの面談も断られ、秋になってやっと髙松さんと3人で会うことになりました。渡邉さんに「社長になってほしい」と伝えたが、渡邉さんの返事ははっきりしないものだったと説明しています。

渡邉 私1人で会えば、「言った」「言わない」で柿沼さんに迷惑をかけることにもなりかねない。インサイダーの問題もあるので、髙松取締役と2人で会った。その際、ラクオリアの研究のあり方について、柿沼さんには理解してもらえていたと思う。

たしかに、「いずれ社長になるつもりはある」と言った。それとなく(社長交代が近いと)伝えたつもりだったが、柿沼さんにはわかってもらえなかったようだ。筆頭株主とはいえ、「来期に社長交代です」とは言えない。お互い、理解のすれ違いがあったのかもしれない。

東洋経済プラスの連載「株主の叛乱」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。連載ではコーポレートガバナンスにまつわる課題を取り上げています。
埼玉の弁護士が「異例の株主提案」に踏み切る事情
インタビュー/柿沼佑一弁護士「きちんと経営できればラクオリアは飛躍する」
インタビュー/ラクオリア創薬「製薬会社はそんなに甘い商売ではない」
大西 富士男 東洋経済 記者

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おおにし ふじお / Fujio Onishi

医薬品業界を担当。自動車メーカーを経て、1990年東洋経済新報社入社。『会社四季報』『週刊東洋経済』編集部、ゼネコン、自動車、保険、繊維、商社、石油エネルギーなどの業界担当を歴任。

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