どうせやるなら世界基準のビジネスをやろう 炸裂! グーグルOB起業家のホンネトーク(前編)

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佐藤裕介(さとう ゆうすけ)●フリークアウト 取締役 COO /イグニス 取締役。 2008 年より Google にて広告製品を担当。Google The Foundations of Leadership 修了。 2010 年広告技術の開発提供を行うフリークアウトの創業に参画。ビジネスオペレーション全般を統括する。

山田 3人の中ではクービックが一番新しい会社ですね。ウェブ予約システムをつくるという、比較的わかりやすいビジネスモデルです。このビジネスの市場規模はどれくらいありますか。

倉岡 まず、ヨガとか英会話とか習い事などの教室をやっている人たちの市場規模として 2兆円くらいを見ています。また、美容室やネイルサロンを含めると、もっと見込めると思います。

最近はソーシャルネットワークを集客・宣伝に利用できるので、個人で開業する人がどんどん増えてきています。そういった人たちが日々のオペレーションを円滑にするために使ってもらいたいし、そもそも客が来なくて困っているお客さんがすごく多い。いずれはそれを解決することも、やっていこうかなと思っています。

佐藤 美容室やネイルサロンの予約サイトといえば、すでにリクルートの「ホットペッパービューティー」があるじゃないですか。あのあたりを「破壊してやる」みたいな感じはありますか(笑)。

敵はホットペッパービューティ?

倉岡 えっ? どこまで言っていいのかな(笑)。

佐々木 この前、ホットペッパービューティーで美容室を予約したんですが、そこでびっくりしたのが、みんなホットペッパーに載せているくせに、自前のウェブサイトを持っていなかったりする。グーグルプラスページとかfacebookページとか、ただでできるサービスがいくらでもあるのに、それをやってなかったりするじゃないですか。

倉岡 やっていないですよね。ただ、やっぱりホットペッパービューティーって利用者が多いので、そこにお金を寄せるのが現実的なんです。じゃあ我々は、そこに対してどういうふうにやっていくのか、もっと別の形でできるんじゃないのかなと思って、日々方針を変えてながらいろいろなことを仕込んでいます。

山田 いずれは予約だけでなく、リクルートのような集客支援もやりたいわけですね?

倉岡 SMBの人たちの課題として、集客の問題が一番大きいので、そこはやりたいですね。だからこそホットペッパービューティーがすごい支持を得ているわけで、究極的にはそこを解決しなきゃいけないと思っています。

いま我々は予約システムを安価で提供しようとしていますが、この分野もどんどん価格破壊が起こっていて、多分ゆくゆくはゼロになると思っているんです。そうなったとき、じゃあ何がドライバーになっていくかというと、集客の部分だと思う。突き詰めると、グーグルのやっていることと同じだと思います。グーグルは広告費に依存し過ぎているのが危ないのではないか、とずっと前から言われていますが、むしろそこが最終的に行きつく先だから、危ないわけではない。

山田 最終的にはグーグルに買収されて、またグーグルに戻ったりして(笑)。

倉岡 いやいやいや、そこはわからないです(笑)。

山田 佐々木さんはfreeeのグローバル展開を考えているそうですが、会計の仕組みってローカルな決まり事があるじゃないですか。ハードルが高くないですか。

佐々木 会計自体はグローバルですよ。ただ、税務が違う。一番密接に関連するのは消費税の違いです。ただ日本は世界的にも消費税が複雑なほうなので、日本向けにつくっておいて、あとから機能を削っていくのは、それほど難しくないと思います。ただし所得税や交付税の申告書みたいなものはまったく違うので、これはゼロから作り直すなり、ローカルのパートナーを探すなりしていかなきゃいけない。でも会計の機能だけなら、互角に戦える可能性は考えられると思います。

山田 ターゲットとして考えている国はありますか。

佐々木 今のところは具体的には考えていません。英語にしたらどうなるか、みたいなことはすごく考えていますが。

山田 英語版があれば海外の人が、日本でスモールビジネスをやるときは便利ですよね。

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