「オンライン授業」3校に学ぶ、成功させるコツ 「現役東大生作家」西岡壱誠さんが感じたこと
また、生徒のほうも、仮に50分に収まった動画であっても、体感として長く感じるという回答が多かったそうです。これは利点でもあるのですが、録画のオンライン授業はわからないところがあれば止めて見ることができます。そのため、視聴時間が実際の授業時間よりも長くなってしまう。またオフラインの授業であれば双方向性が担保されていて、生徒が飽きてきたときに、反応を見て生徒に回答させたり違う話をしたりすることができるのに、それもないため、より長く感じるということでした。
僕がこの話を聞いて思ったのは、今の学生たちはYouTubeなどの比較的短い動画に慣れているため、そもそも長い動画の視聴に対して拒否反応があるのかもしれないということでした。こちらの日本大学櫻丘高等学校では、アンケートを実施して見えてきた「長い」という課題を多くの先生方で共有し、通常よりも短い授業動画にしたり、内容を詰め込みすぎないように工夫をすることで、この課題を解決しようと一丸となって取り組んだのだそうです。これによって、次のアンケートでは「長い」と感じている生徒の数を大きく減らすことができ、満足度を上げることができたそうです。
自由ヶ丘学園高校「オンラインでミネルバ大学のワークショップを体験」
続いて、目黒区の自由ヶ丘学園高等学校さんにもお話を伺いました。こちらの学校では、今回の新型コロナが起こるより前に、生徒へのタブレット配布や、全館Wi-Fi整備を完了していたそうです。そのため3月に休校した後、4月〜5月のオンライン授業への移行、6月からの分散登校という流れが比較的スムーズだったとのことでした。こちらの学校では、オンライン授業は、生配信型の授業を行っていたそうです。授業配信ツールの選定には時間をかけ、最終的にZoomの有料版を契約することで、時間制限がなく生配信での授業を行えるように整えられたのだそうです。

(撮影:尾形文繁)
苦労した点は、生配信でホームルームを行う際、オンライン授業での出席確認が取れない学生に対し、電話での確認が必要だったということだそうです。オフライン授業であれば出席はすぐわかりますが、オンライン授業で出席が確認できない場合、物理的に授業に出られないのか、それともインターネットにうまくつなげられないなど、別の問題で出席できていないのかがわからないため、そのたびに電話で確認をしなければならず、業務として大変だったということでした。
そのような課題はありつつも、生配信で授業を行ううえで、
また、オフライン授業のときにはなかなか発言できなかった生徒が
リアルに行われる授業であれば、手を挙げて意見を言うことは、