LCCピーチ、コロナ禍であえて国内線大増強の訳

「ステイジャパン」見込み、強気の逆張り路線

コロナ禍で競合の航空各社が国際線、国内線を問わず供給を絞っているのとは対照的に、ピーチは国内線の供給量を増やす強気の姿勢を続けてきた。

2020年から2021年にかけての年末年始、最大手の全日本空輸(ANA)は国内線の提供座席数を前年比で17.1%減らした。日本航空(JAL)やLCCのジェットスター・ジャパンも、ともに同30%程度減少させた。これに対し、ピーチは年末年始の提供座席数を、逆に前年比で17.6%増やした。

年末年始の利用客はわずか58人

ピーチは2012年の初便就航以来、台湾や香港、韓国など近距離アジアへの国際線を成長の柱に据えてきた。コロナ影響が出る前の2019年3月期の国内線旅客キロ(旅客数×運航距離、航空会社の運航規模を示す)は、2015年3月期と比べて34.5%増だった。それに対し、国際線は同112.4%増で、今や国内線と並ぶ規模になっている。

しかし、コロナ禍における検疫体制の強化や需要の急減により、その国際線は2020年3月20日から全便運休を強いられた。同10月25日から一部の路線で運航を再開したが、年末年始の国際線利用客数はわずか58人と、引き続き需要が蒸発したままだ。

そこでピーチが目を付けたのが国内線だ。国際航空運送協会(IATA)によると、世界の航空需要がコロナ前である2019年の水準に戻るのは2024年のこと。ただ、IATAは出入国などのハードルが高い国際線より国内線が早く回復するとみている。

ピーチが就航した中部=新千歳線の初便。2020年12月に就航したため、従業員はサンタクロースのコスチュームで乗客を見送った(記者撮影)

日本の国際線の旅客数も、2020年10月が前年同月比96.6%減と底ばい状態なのに対し、Go To トラベル事業などの後押しのあった国内線は同50.4%減と相対的に戻りは早い。

これを受け、ピーチは2023年3月期までに計画していた国際線の就航計画を先送りし、国内線のそれを前倒ししている。2020年8月には成田=釧路、宮崎線、10月には那覇=新千歳、仙台の各路線を開設。2021年1月には中部=那覇、石垣線、2月には成田=女満別、大分線の運航も始める。

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