【産業天気図・建設機械】中国などアジア需要強く後半「晴れ」に回復へ、為替次第では波乱も

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 一方、国内需要は依然として低迷が続く。鳩山政権による公共投資削減も響き、10年度上期の需要は続落が必至。工業会は下期には増加に転じると予想するが、通年の出荷予想額は3464億円(0.6%増)で底を這うような水準だ。

先進国市場では、日本同様に欧州にも回復の兆しが見られない。ただ、米国市場では景気対策効果か、一部では流通在庫の不足も伝えられはじめており、工業会のアンケートでも10年度下期から回復に転じると見る建機メーカーが4割を超えている。

リーマンショック以降、在庫調整や生産体制の再編に素早く手をつけた日本の主要建機メーカーは、どん底の09年度も黒字決算を維持した。それだけに、10年度は中国を中心にしたアジアが続伸し、緩慢ながらも米国市場が底打ちすれば、業績の急回復が予想される。ただ、外需依存が深まっているだけに、為替変動が大きく利益を左右する。中国での採算は元がドルと連動しているだけに、為替水準によってはにわか雨もありえる、不安定な天気模様となるかもしれない。
(山崎 豪敏)

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