iPadで出版はどう変わるか--救世主か、あるいは…

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 ワイヤードのデジタル化に半年、力を貸してきたアドビのシニア・デザイン・マネジャー、ジェレミー・クラーク氏は「出版のデジタル化は、目が疲れずに読める電子ペーパーを用いた書籍専用端末と、ブランドを意識した高級雑誌向けの、映像や写真を美しく表示できる液晶端末に二極化する」と予測する。

「出版業界はこれまでコンテンツをウェブに無料で出しすぎていた。iPad、スレートPCなどの登場により収入の道が増え、これから活性化していく」。

IT業界の分析で著名アナリストのマイケル・ガーテンバーグ氏は「デバイスに最適化したコンテンツが提供されれば、これまでにないほど、広告が自然な形でデバイスに融合していく」と、広告ビジネスの繁栄を予測する。

ハイテク業界を分析するクリエィティブ・ストラテジーのティム・バジャリン社長も、広告の重要性を強調する。

「消費者はコンテンツをウェブから無料で手に入れることに慣れてしまっている。iPadから読む場合にも、今さら態度は変わらない。購読料中心ではなく、広告主体で考えるべき。タブレット型パソコン向けの新しいビジネスモデルが必要だ」と断言する。

コンピュータや通信関連の技術書で知られるオライリー社は、原稿段階の本を公開し、読者からの反応に応じて本を完成させるシステムを持っている。

同社の電子書籍には、すでにiPodタッチ、iPhone版がある。オライリーのデジタル・イニシアティブ部門副社長、アンドルー・サヴィスカス氏は「iPadは出版社にとっての莫大なビジネスチャンス」と語る。

「すでに世界の何千万人もの人々が、いつでも店が開いている即時払いの書店をポケットの中で持ち運んでいる。これからは、さらに何億、何十億人の人々が手元に書店を持つようになる」。

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