壇蜜「どんな仕事もNGを出さずに受け続けた」 どの依頼も手を抜いてはいけないという意識

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この頃発見したことに、極寒や猛暑は人の羞恥心を打ち砕くのだなというものがあります。たとえば雪景色の中に赤い襦袢でたたずむ女は、グラビアを鑑賞する人たちにはエロ美しい1枚かもしれませんが、襦袢1枚でたたずむほうにしたら修行です。

とにかくこの撮影を早く終わらせなくてはいけないということで頭がいっぱいになり、恥ずかしいとかどうでもよくなってしまう。それにギャラが発生するのだからと思えばモジモジしてなどいられません。撮るのはカメラマンの仕事。撮られるのは私の仕事。ただそれだけです。

大学病院でもオープンにしていました。真面目な職場でしたので批判されてしまうかもしれないという一抹の不安もありましたが、偏見に惑わされない器の大きな方ばかりでした。「コンビニで雑誌を買ってグラビア見たよ」とか、「登場する雑誌のグレードがアップしてきたね」と声をかけてくださって、あれは本当にありがたかったです。

セクシータレント「壇蜜」の誕生

事務所に所属した時に自分で考えた「壇蜜」という芸名は仏壇の「壇」、それに神様の飲み物の味を意味する「蜜」から取りました。専門学校で学んだことを活かして生きていないじゃないかと自分を責める気持ちを抱えていたので、せめてもの罪滅ぼし。デビュー当時、インパクトの強い名前だと褒めていただくことが多かったのですが、実のところ「壇蜜」は、免罪符的な名前なのです。

1980年12月生まれ。昭和女子大学卒業後、多くの職業を経験。調理師、日本舞踊師範など多数の免許・資格を持つ。2010年に29歳の新人グラビアアイドルとして注目を集める。(写真:中央公論新社提供)

親はショックだったと思います。教育費を何千万円もかけたのは、ちゃんとした人間に育ってほしかったからなのに、なぜ普通のことができない子に育ってしまったのだろうと。

でももはや、とがめられることはなく(諦めもあったのかも……)、3年だけという約束でグラビアの仕事をすることを許してくれました。

両親は私が就職難でしんどかったり、束縛の激しい彼との恋愛がしんどかったりしたのを知っていたので、娘がしんどくないならいいかと、そこに救いを見出してくれていたのではないでしょうか。

私のことをセルフプロデュース力があると思ってくださる方もいるようですが、それは結果論。ただしキャラづくりをしっかりと固めておいたほうが、壇蜜としての市場価値は出るだろうなというのは最初から思っていました。壇蜜という女は、髪を染めないし、パーマもかけない。マニュキュアもしなければ、つけまつげも使わない……。

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