26年前の未解決殺人「司法解剖」から迫る犯人像 残された人への「メッセージ」を聞くのが法医学

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この22㎝には理由がありました。井の頭公園に設置されていたゴミ箱の円形入り口から、引っかからずに入る奥行きサイズと一致していました。

仮に22㎝以上あれば、円形入り口で引っかかってしまい、スムーズにゴミ箱に入らなかったのです。太い大腿部も同じ長さにされた上で、円形入り口の直径内に収まるよう、皮膚を削っている程の徹底ぶりでした。

事前に遺棄する場所の直径と奥行きを調べていたことも含め、間違いなく計画的な犯行でした。

なぜ井の頭公園を選んだのか

被害者の自宅近くに位置している井の頭公園は、桜の名所としても知られています。

都民の憩いの場を入念に調べ、そこに遺棄している事実からも、見つかっても構わないという明確な意志も感じられました。

これは何かの見せしめではないのか。もしかしたら誰かと間違われた〝人違い殺人〟なのではないかという疑いすら持ちました。

捜査上でも、被害者には誰かに恨みを持たれていた可能性や宗教的な背景も出てきませんでした。

実はこの事件が発覚する前、熊本県内でも似たようなバラバラ事件が起きていました。

熊本大学の教授に電話をして、事件の特徴を確認したところ「バリを見なさい」と言われました。

バリとは刃の特徴のことで、人間で言えば指紋にあたります。損壊にノコギリを使っているのであれば、バリの目の形が出ているはずだから、刃物の特徴を見ればどこで購入したのかがわかるということでした。

事件当時は、オウム真理教の脱会信者に対して弁護団が組織されたことが報道され始めていた頃でした。

捜査本部には、解剖結果の報告とともに、これは人違い殺人の可能性もあるという疑念についても話しました。

オウム真理教の脱会を図った人がいて、それを粛清しようとした教団が、被害者を間違って殺害してしまったのではないかという仮説も含め、とにかくあらゆる可能性を考慮する必要性があると伝えました。しかし「オウム真理教はそこまでやりませんよ」と広域捜査には至りませんでした。

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